「セッション数が1,000なのに、ユーザー数が700しかない…これってバグ?」
いいえ、バグではありません。
GA4では、同じ1人でもセッションが増えるのが普通です(例:30分放置/日付またぎ/参照元が変わる)。
セッション数 = session_start イベントの回数
なので「訪問数=人数」みたいに捉えると、ここで必ずズレます。
この記事では、GA4のセッション数の定義と、実務で迷わない”見方の型”をまとめます。
✅ この記事でできるようになること
- セッション数とユーザー数がズレる理由を説明できる
- セッションが切れる3タイミングを把握できる
- セッション数 ÷ ユーザー数で「1人あたりの訪問回数」を把握できる
- Active usersが伸びない原因の当たりを付けられる
読了時間: 約5分
対象: GA4を触り始めたばかりの方
UAとの違い
GA4とUA(旧Googleアナリティクス)では、セッションの数え方が異なります。
比較表
| 項目 | UA(旧GA) | GA4 |
|---|---|---|
| 定義 | 訪問の単位 | session_start イベントの回数 |
| セッションの考え方 | 訪問を1セッションとして集計 | セッション開始時に session_start が記録され、その集計がセッション数になる |
| 計測モデル | セッション(ページビュー)中心 | イベント中心(ただしセッションの概念はある) |
| セッションの切れ方 | ①30分無操作 ②日付またぎ | ①30分無操作 ②日付またぎ ③参照元が変わる(例:SNS→検索) |
GA4特有の仕様(ここがズレの原因)
GA4では、参照元/キャンペーン情報が変わると新しいセッションになりやすいです。
例:
- SNSから訪問 → セッション1
- 同じ人が、Google検索から再訪 → セッション2
→ 同じ人でも、参照元が変わると別セッションとしてカウントされます。
注意ポイント
「参照元変更でセッションが切れる」ため、GA4のセッション数はUAより多く見える傾向があります。→ UAとGA4のセッション数が一致しないのは普通です。
このセクションのまとめ
- GA4は「イベント中心」、UAは「セッション中心」
- GA4では、参照元が変わるとセッションが切れる(UAにはない仕様)
- UAとGA4のセッション数が一致しないのは普通
セッションが切れるタイミング【GA4は“基本1つ”+誤解2つ】
セッションが「切れる」= 新しいセッションが始まることです。
GA4では、以下の 3つのタイミングでセッションが切れます:
- 30分の無操作
- 日付をまたぐ(条件付き)
- 参照元が変わる(GA4特有)
それぞれ具体例で見ていきましょう。
① 30分の無操作(GA4の基本)
ユーザーが 30分間アクティブな操作(イベント送信)がない と、セッションが終了します。
次にユーザーが戻ってきたとき、新しいセッションが始まります。
例
| 時間 | 行動 | セッション |
|---|---|---|
| 10:00 | サイトに訪問 | セッション1 開始 |
| 10:05 | 記事を読む | セッション1 継続 |
| 10:40 | 再び操作(クリック/遷移など) | セッション2 開始 ✅ |
💡 ポイント
カウントは**最後の操作(イベント)を基準**に進みます。
たとえば:
- 10:00 訪問 → 10:05 記事を読む → 10:35 操作 = セッション1継続(最後の操作から30分未満)
- 10:00 訪問 → 10:05 記事を読む → 10:40 操作 = セッション2開始(最後の操作から35分経過)
実務の確認方法:
DebugViewで `session_id` を確認すると、セッションの切り替わりが正確にわかります。 (Day 11記事でDebugViewの使い方を詳しく解説しています)
② 「0時をまたぐと切れる」はUAの記憶(GA4では原則そうならない)
UAでは「0時をまたぐとセッションが切れる」が原則でしたが、GA4では原則として0時をまたいでもセッションは継続します。
ただし、以下の条件が重なると切れる可能性があります:
- 0時をまたぐ + 30分以上の無操作
- 0時をまたぐ + 参照元が変わる
具体例:
| 時間 | 行動 | セッション |
|---|---|---|
| 23:50 | サイト訪問 | セッション1 開始 |
| 0:05 | 記事を読み続ける | セッション1 継続(継続中) |
| 0:35 | 再び操作(30分以上放置) | セッション2 開始 |
ポイント:
「0時をまたぐ」だけではセッションは切れません。他の条件(①や③)と組み合わさった場合に切れます。
深夜に継続的にサイトを利用するユーザーが多い場合、UAとGA4でセッション数に差が出やすくなります。
③参照元が変わる(GA4特有の仕様)
GA4では、同じユーザーでも参照元(トラフィックソース)が変わると新しいセッションが始まります。

これはUAと大きく異なる点で、「どの流入元が成果につながったか」を正確に測定するためのGA4の設計思想です。
具体例:
| 時間 | 行動 | 参照元 | セッション |
|---|---|---|---|
| 10:00 | X(旧Twitter)から訪問 | social | セッション1 開始 |
| 10:10 | 記事を読む | social | セッション1 継続 |
| 10:20 | Google検索から再訪問 | google / organic | セッション2 開始 |
なぜGA4はこの仕様なのか?
- ユーザージャーニーを正確に追跡するため
- どの流入チャネルが最終コンバージョンに寄与したかを明確にするため
注意点:
この仕様により、GA4のセッション数はUAより多く見えることがあります。特にSNSと検索を併用するユーザーが多い場合、セッション数が増えやすくなります。
実務の確認方法:
DebugViewで traffic_source や session_id を確認すると、参照元の変化とセッションの切り替わりが正確にわかります。
まとめ:
GA4でセッションが切れる主な原因は①30分の無操作です。
②や③は条件付きで切れるため、DebugViewで実測して確認するのが最も安全です。
(DebugViewの使い方は[Day 11記事]で詳しく解説しています)
セッション数の確認方法
GA4でセッション数を確認する方法は、大きく分けて2つあります。
- 標準レポートで確認(簡易・日次モニタリング向け)
- 探索レポートで確認(深掘り分析向け)
📌 先に結論(迷ったらこれ)
まずは標準レポートで「セッション」を確認し、必要になったら探索で深掘りします。
そしてセッションを見るときは、必ずユーザー(基本はActive users)とセットで見ます。
方法①:標準レポートで確認する(簡易)
GA4の標準レポートでは、「セッション」という指標でセッション数を確認できます。
確認手順:
- GA4管理画面にログイン
- 左メニュー 「レポート」→「ライフサイクル」→「集客」→「トラフィック獲得」
- 右上の期間を「直近7日」に設定(比較しやすくするため)
- 表の中の 「セッション」 列を確認

ポイント:
- 期間を固定すると、週次での推移が追いやすくなります
- 標準レポートは参照元ごとのセッション数が見られるので「どの流入元が多いか」をざっくり把握するのに便利
- ただし、ディメンション(軸)のカスタマイズには制限があります
実務での使いどころ:
「今週のセッション数は?」「どの流入元が増えた?」など、日常的なモニタリングに最適です。
方法②:探索レポートで確認する(詳細)
より詳細な分析をしたい場合は、探索レポートを使います。
探索では、ディメンション(分析の軸)を自由に組み合わせて多角的に分析できます。
まずは最小構成(これだけでOK)
目的:参照元/メディア別のセッションを見る
確認手順(最小):
- 左メニュー 「探索」 → 「空白」
- 「変数」で
- ディメンション:
参照元/メディアを追加 - 指標:
セッションを追加
- 「タブの設定」で
- 行:
参照元/メディア - 値:
セッション

応用(必要になったら追加)
まず試すならこれ:
- 行に
ページタイトルを追加 → 「どのページがセッションを集めているか」
慣れてきたらこれ:
- 列に
デバイスカテゴリを追加 → 「参照元×デバイス別」 - フィルタで
page_pathや参照元を絞る → 「特定施策だけ検証」
ポイント:
- 探索はディメンションを自由に組み合わせられるので、原因特定に強い
- ただし作り込みすぎると迷子になるので、まずは最小構成→必要に応じて拡張が安全
探索の基本は別記事で詳しく解説予定です
実務で使える「見方の型」
セッション数を見るときは、必ずユーザー数と一緒に確認しましょう。
✅ ここで使う「ユーザー」は基本 Active users
Total usersで割ると「意味が変わる」ので、まずはActive usersで統一するのが安全です。
実務の型
セッション数 ÷ Active users = 1人あたりの訪問回数(目安)

具体例:
| 指標 | 値 |
|---|---|
| セッション | 1,000 |
| Active users | 700 |
| 1人あたりの訪問回数(目安) | 1.43回 |
この数値から読み取れること(傾向):
- 1に近い:初回訪問が多い傾向(良し悪しはエンゲージメント率もセットで判断)
- 2以上:同じユーザーの複数訪問が多い傾向(リピーターが多い/回遊が起きている可能性)
⚠️ 注意:この式だけで「離脱が多い」と断定しない
離脱・質の判断は エンゲージメント率 / 平均エンゲージメント時間 / キーイベント とセットで見ます。
応用:参照元別に見る
| 参照元/メディア | セッション | Active users | 1人あたりの訪問回数(目安) |
|---|---|---|---|
| google / organic | 500 | 450 | 1.11回 |
| social / twitter | 300 | 150 | 2.00回 |
| (direct) / (none) | 200 | 100 | 2.00回 |
読み取り例(断定ではなく仮説):
- google / organic:初回訪問が多い可能性(まずはLPの質を確認)
- social / twitter:複数回訪問が多い可能性(投稿→記事回遊が起きているか確認)
- direct:既存ユーザーが再訪している可能性(ブックマーク/指名/再訪導線を確認)
📌 施策比較のコツ
比較するときは 期間(例:直近7日)とユーザー定義(Active users)を固定して見比べるのが安全です。
(Active usersとユーザー指標の違いは Day 13記事を参照)
セッション数とActive usersの関係
ここまでセッション数の定義と確認方法を見てきましたが、セッション数 × Active users をセットで見ると、改善の糸口が見えてきます。
基本の関係式(再掲)
セッション数 ÷ Active users = 1人あたりの訪問回数(目安)
具体例:
| 指標 | 値 | 計算 |
|---|---|---|
| セッション | 1,000 | – |
| Active users | 700 | – |
| 1人あたりの訪問回数(目安) | 1.43回 | 1,000 ÷ 700 |
⚠️ 注意:これは「リピート率」ではありません
参照元変更・日付またぎでもセッションは増えるので、“同一ユーザーの複数セッションが多いか”の目安として使います。
2つのパターンで理解する
| パターン | セッション | Active users | 1人あたり | 傾向(仮説) |
|---|---|---|---|---|
| ①新規中心 | 1,000 | 950 | 1.05回 | 初回訪問が多い可能性 |
| ②複数訪問が多い | 1,000 | 600 | 1.67回 | 同一ユーザーの複数訪問が多い可能性 |
読み取り方(次に見る指標):
- パターン①:まず エンゲージメント率 / 平均エンゲージメント時間 を確認(質が伴っているか)
- パターン②:参照元/メディア別に分解(どの流入が”再訪”を生んでいるか)
「セッションは増えるのにActive usersが増えない」時の切り分け
結論、これは多くの場合 「セッションは発生しているが、engaged sessionになっていない」 状態です。
次の順で切り分けると、原因が早く見つかります。
- エンゲージメント率が低いか?(まずここ)
→ 低いなら「10秒未満・1PV・キーイベントなし」が多い可能性 - 流入別に偏りがないか?(トラフィック獲得で参照元別に確認)
→ 特定流入だけ質が低いケースが多い - 計測がズレてないか?(DebugViewで確認)
→ 送るべきイベント/パラメータが送れていないと判断が狂う
(DebugViewの使い方は [Day 11記事URL] を参照)
さらに「ユーザー指標の数字が合わない」原因を整理したい場合は、こちらも参考にしてください。
👉 [Day 13記事:Active usersとTotal usersの違いを完全解説]
次のセクション(H2-5)では、セッション数を見るときの「よくある誤解」を整理します。
よくある誤解と注意点
最後に、セッション数を見るときによくある誤解を3つ整理します。
誤解①:セッション数が多い = サイトの質が高い
✕ 誤解: セッション数が増えた → サイトが評価されている
○ 正解: セッション数だけでは“質”は判断できない
セッションは「訪問の回数」なので、質は エンゲージメント率 / 平均エンゲージメント時間 / キーイベント(率) をセットで見て判断します。
例:セッションが増えても、エンゲージメント率が下がっていたら「流入は増えたが質は落ちた」可能性。
誤解②:セッション数 ÷ ユーザー数 = リピート率
✕ 誤解: 1人あたり2回 = リピート率50%
○ 正解: 参照元変更・日付またぎでもセッションは増えるため、これは 「同一ユーザーの複数セッションが多いか」の目安(リピート率そのものではない)
(H2-2で解説した「セッションが切れる3つのタイミング」を参照)
誤解③:UAのセッション数とGA4のセッション数は同じ
✕ 誤解: UAとGA4のセッション数を同列に比較して「減った/増えた」と断定する
○ 正解: UAとGA4は定義が違うので、数値が一致しないのは普通(断定に使わない)
特にGA4は参照元が変わるとセッションが切れるため、UAより多く見えることがあります。
(H2-1で解説した「UAとの違い」を参照)
ここまでのまとめ:
- セッション数は「訪問の回数」。質は エンゲージメント系+キーイベント で判断
- セッション数 ÷ ユーザー数は「リピート率」ではなく、複数セッションの多さの目安
- UAとGA4は定義が違うので、同列比較で増減を断定しない
これらの誤解を避けることで、GA4のセッション数を“正しく解釈”できるようになります。
まとめ
この記事では、GA4のセッション数の定義と見方を解説しました。
重要なポイント:
- セッション数 =
session_startイベントの回数 - セッションが切れる代表例は 30分の非アクティブ(他にも条件あり)
- セッション数 ÷ ユーザー数 で「1人あたりの訪問回数(目安)」を確認
- 質は エンゲージメント率・キーイベント とセットで判断
次のステップ:
まずは 標準レポート(トラフィック獲得) で
①セッション → ②ユーザー → ③エンゲージメント率 → ④キーイベント の順に確認してみましょう。
Active usersの詳細は、Day 13記事を参照してください。
👉 Day 13記事:Active usersとTotal usersの違いを完全解説
計測の確認には、DebugViewが便利です。
👉 Day 11記事:DebugViewの使い方完全ガイド
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