データで育てるWebマーケ分析道場|仮想データ×Pythonで“使える分析思考”を身につける
GA4を触り始めると、最初は「ユーザー数」「セッション数」「PV」「CV」などの数字が取れるだけでも前進です。
ただ、少し慣れてくると次の壁にぶつかります。
- 数字が落ちているのは分かる。でも、原因が分からない
- なんとなくレポートを眺めて終わる。次の打ち手が出ない
- 上司やクライアントに「で、何が言えるの?」と聞かれて詰まる
このシリーズ「データで育てるWebマーケ分析道場」は、その壁を超えるための“分析の型”を身につける場所です。
GA4の数字を“見て終わり”にせず、問題を切り分けて、意味を取り出し、改善案までつなげる。それを、仮想データとPythonで反復練習しながら習得していきます。
1 このシリーズのコンセプト:GA4×Python×仮想データで「分析の型」を作る
1-1 なぜ「仮想データ」なのか?
実データで学ぼうとすると、意外と躓きます。
- 守秘や権限の問題で共有できない
- データ量が少なく、検証が難しい
- そもそも「どこが悪いのか」が分かりにくい
そこで本シリーズでは、最初から“原因が埋め込まれた仮想データ”を使います。
たとえば「CVが落ちた」と言っても、原因は一つではありません。
- 流入が質の低い層に偏った
- LPの離脱が増えた
- モバイルだけフォームの入力が厳しい
- 特定チャネルの配信が止まっていた
仮想データなら、こうした状況を意図的に作れるので、学習効率が高いのです。
1-2 なぜ「Python」なのか?
Pythonは“難しいプログラミング”のためではありません。目的は一つです。
分析を再現できるようにすること。
GA4の画面操作だけでも分析はできますが、慣れてくるほど「自分の手順が正しいのか」「再現できるのか」が重要になります。Pythonで集計できるようになると、
- 自分の分析手順が明確になる
- 同じロジックを別案件にも流用できる
- “なんとなく”から脱却できる
という強いメリットが得られます。
※安心してください。コードは「写経でOK」「まずは読むだけでもOK」の設計にします。
2 このシリーズで身につくこと(結論:これができるようになります)
2-1 分析の基本スキル:分類 → 比較 → 意味の抽出

分析が止まる人の多くは、ここが曖昧です。
本シリーズでは、次の順番を“手順”として体に入れます。
- 分類:チャネル、ページ、デバイス、新規/リピーターなどに分ける
- 比較:過去比・前年差・セグメント差で「差」を見る
- 意味の抽出:差が生まれた理由を仮説に落とす
これができるだけで、GA4は“眺めるツール”から“意思決定の武器”に変わります。
2-2 問題解決フロー:「迷ったらこの順番」で前に進める

さらに一段上げて、「数字が悪いときの動き方」も型化します。
- 事象の定義:何が、いつから、どれくらい悪化したか
- 影響範囲の特定:どのチャネル・ページ・ユーザー群で起きているか
- 原因候補の列挙:計測/集客/導線/コンテンツ/CVなど
- 優先度付け:インパクト×確度×工数
- 打ち手→検証設計:期間比較・セグメント比較・ABなど
- 学びの型化:次回に使えるルールとして残す
「見る順番」が決まると、分析がブレません。
2-3 実務で使えるアウトプット(最終的に“提出できる”形へ)
このシリーズは、最終的に以下が作れることをゴールにします。
- A4 1枚で伝わる「分析サマリー(結論→根拠→示唆→次の検証)」
- 施策の仮説メモ(再現可能な文章テンプレ)
- 最低限の集計スクリプト(使い回し前提)
3 想定読者:GA4を学んでいるWeb担当者・ブロガーへ
この道場は、特に次の方に刺さるように設計しています。
- GA4で数字は見ている(ユーザー/セッション/PV/CVあたり)
- でも「原因」や「改善案」に自信がない
- “分析者っぽい思考”を身につけたい
- 将来的に、レポート作成や改善提案ができるようになりたい
逆に、以下の方はミスマッチの可能性があります。
- 結論だけを最短で知りたい(本シリーズは“型を鍛える”ため反復が入ります)
- Pythonを完全に避けたい(ただし「読むだけOK」から入れるようにします)
4 前提知識と学習環境(安心してスタートできる状態にします)
前提(必須)
- GA4の基本用語をざっくり理解している
(ユーザー・セッション・PV・CVの違いがふわっと分かる程度でOK)
推奨(あると理解が速い)
- チャネルの概念(自然検索、広告、SNSなど)
- KPIの分解感(例:CV=セッション×CVR)
使用ツール(想定)
- GA4(画面例は必要に応じて)
- Python(Google Colab推奨。環境構築なし)
- 仮想CSV(各回で配布物として扱う想定)
5 このシリーズの読み方(2ルート:目的別でも、順番でもOK)
ルートA:実務の悩みから選んで読む(おすすめ)

困っているテーマに直行してOKです。
- 「売上・CVが落ちた」→ Season1へ
- 「CVRが落ちた」→ Season2へ
- 「集客が落ちた」→ Season3へ
- 「そもそも分析の進め方が曖昧」→ Season0へ
ルートB:最初から順番に読む(分析の型を積み上げたい人)
最短で強くなるのはこの順番です。
Season0 → Season1 → Season2 → Season3 …
6 シーズン構成(シリーズ全体の地図)

ここからが、この第0回のメインです。
「どこに何があるか」が分かるように、シーズンごとのゴールを一覧化します。
| Season | テーマ | ゴール(身につくこと) | よく扱う指標・切り口 | 成果物 |
|---|---|---|---|---|
| Season0 | 基礎思考 | 分類→比較→意味の抽出を手順化 | セグメント、比較軸、仮説 | 分析テンプレ |
| Season1 | 売上・CV低下 | 売上悪化を分解して原因特定 | 流入×CVR×単価 | 1枚レポート |
| Season2 | CVR低下 | 導線・LP・フォームの摩擦特定 | LP、デバイス、離脱 | 改善案+検証 |
| Season3 | 集客低下 | 流入減をチャネル/LPで切り分け | チャネル、SEO、広告 | 施策優先度 |
| Season4 | 回遊が弱い | 回遊→再訪→指名化の設計 | ページ遷移、内部導線 | コンテンツ設計 |
| Season5 | リテンション/LTV | 短期指標から継続価値へ | リピート、LTV | 評価指標設計 |
| Season6 | 運用・監視 | ダッシュボード化と週次運用 | 定点指標、アラート | 運用ルール |
※各Seasonは、公開に合わせてリンクを順次つないでいきます。
7 各回の基本フォーマット(この形で反復します)
各記事は、基本的に同じ流れで進みます。
この“型”に慣れるほど、実務でも迷わなくなります。
- シナリオ:何が起きたか(売上が落ちた等)
- まず見る指標:入口を決める(迷子防止)
- 分解と切り分け:分類→比較で差を出す
- 仮説を立てる:原因候補→絞り込み
- Pythonで再現:集計・可視化(最低限)
- 結論:打ち手&検証設計
- まとめ:学びを“型”として持ち帰る
8 よくある質問(第0回で先に潰しておきます)
Q1. Pythonができません。本当に大丈夫?
大丈夫です。
このシリーズのPythonは「分析を再現するための最小限」です。各回、読むだけでも理解が進むように書きますし、コードは写経でOKです。
Q2. GA4の実データがありません
問題ありません。仮想データで“現場あるある”の状況を再現するのが、この道場の強みです。むしろ最初は実データより学びやすいです。
Q3. どこから読めばいいですか?
迷ったら Season0の最初 を推奨します。
ただし「今まさに困っている」なら、該当Seasonへ直行してOKです。
Q4. これって実務で本当に使えますか?
使える形に落とすために、毎回「結論」「根拠」「示唆」「次の検証」を必ず書きます。最終的にA4 1枚のレポート形式で説明できる状態を目指します。
目次(シリーズリンク集)
ここは公開状況に合わせて更新していきます。リンクは後から差し替えできるよう、枠を用意しておきます。
Season0:分析思考の基礎
- 第1回:準備中(分析の型:分類→比較→意味)
- 第2回:準備中(比較の作法:期間差・セグメント差)
- 第3回:準備中(仮説の立て方:原因候補→優先度)
Season1:売上・CV低下シナリオ
- 第1回:準備中(売上が落ちた:分解の基本)
- 第2回:準備中(流入の質が落ちた:チャネル別比較)
- 第3回:準備中(単価が落ちた:商品構成の影響)
Season2:CVR低下シナリオ
- 第1回:準備中(LPの離脱増:入口と出口)
- 第2回:準備中(モバイルだけCVR悪化:デバイス差)
- 第3回:準備中(フォーム離脱:EFO視点)
Season3:集客低下シナリオ
- 第1回:準備中(自然検索が落ちた:LP別・クエリ別)
- 第2回:準備中(広告が落ちた:配信停止・予算・効率)
- 第3回:準備中(SNS流入が減った:投稿・導線・訴求)
(Season4以降も同様に追記予定)
次に読むおすすめ(迷ったらここ)
- 最初から鍛えたい人:Season0 第1回(分析の型を最短で理解)
- 売上・CVが落ちた人:Season1 第1回(分解で原因を切り分け)
- CVRが落ちた人:Season2 第1回(導線の摩擦を見つける)
- 集客が落ちた人:Season3 第1回(チャネルとLPで影響範囲を特定)
おわりに:この道場の“卒業条件”
卒業条件はシンプルです。
どんな悪化が起きても「分解→切り分け→仮説→検証」を自走できること。
「分析できる人」は、特別なセンスではなく、手順の積み重ねで作れます。
この道場で、その手順を一緒に固めていきましょう。