GA4・アクセス解析 / 2026.01.14

GA4のoutbound_clickとは?外部予約・SNSへの送客を見える化する


GA4のoutbound_click(離脱クリック)計測を解説するアイキャッチ画像。自社サイトから外部予約サイトやSNS(LINE・Instagram)へユーザーが流れる導線を「見える化」し、コンバージョンとして正しく評価するための設定・分析ガイド。

「予約は外部の予約システム(別ドメイン)で完了する」「LINEやInstagramへ誘導している」──このタイプのサイトは、GA4を入れても“成果が途切れやすい”のが悩みどころです。
そこで役立つのが、拡張計測で取れる outbound click(外部リンククリック)。外部へ送った行動をGA4上で可視化できるため、お問い合わせ完了(サンクスページ)以外の“成果”も説明できるようになります。

なお、GA4上のイベント名は多くの場合 click で記録され、パラメータの outbound=true で「外部クリック」を判別します(この記事では分かりやすく outbound_click と呼びます)。


1 outbound_clickの定義(別ドメインへのリンククリック)

1-1 outbound_clickとは何か

outbound_click(外部クリック)は、自サイトのドメインから別ドメインへ遷移するリンクをユーザーがクリックしたときに記録される計測です。GA4の拡張計測(Enhanced measurement)で自動収集できます。

1-2 どんなときに発火する?

GA4公式の定義はシンプルで、「現在のドメインから外部サイトへ移動するリンクのクリック」で発火します。

GA4では、この外部クリックに以下のような情報(パラメータ)も一緒に送られます。

  • link_domain(リンク先ドメイン)
  • link_url(リンク先URL)
  • outbound(外部クリックかどうか:true/false)
    など

注意:クロスドメイン計測として設定したドメインへの遷移は、outbound clickとしては発火しない(=外部扱いしない)ことがあります。


2 さくら整体院の文脈(予約システム/LINE/Instagramなど)

さくら整体院サイトの外部送客マップ。自サイトから「外部予約サイト」「LINE公式アカウント(line.me)」「Instagram(instagram.com)」への各クリック導線を示し、GA4の離脱クリック計測で追跡すべき対象を整理した図解。

整体院サイトは、ユーザーの最終行動が「外部」に出やすい設計になりがちです。たとえば、さくら整体院なら次のような導線が典型です。

  • 予約する → 外部予約システム(別ドメイン)
  • LINEで相談line.me(別ドメイン)
  • Instagramを見るinstagram.com(別ドメイン)

このときGA4で「予約完了」まで追えないとしても、まずは “予約ページに送れたか” “LINEに飛ばせたか” を把握できるだけで、改善が一気に現場寄りになります。


3 「お問い合わせ完了以外の“成果”」としての価値

3-1 なぜ外部クリックを“成果”として見るのか

外部予約・LINE相談は、ユーザーの温度感が上がった状態での行動です。
だからこそ、PVや滞在時間よりも、ビジネスに近い“次の一歩”として扱いやすい指標になります。

3-1 成果を3階層に分けると迷わない(おすすめ設計)

さくら整体院のようなサイトは、成果を次の3階層で整理するとブレません。

  1. 最終成果(KGI):予約完了/来院
  2. 主要成果(CV候補):外部予約クリック、LINEクリック
  3. 中間成果(マイクロCV):電話タップ、地図タップ、メニュー閲覧 など

外部予約の「完了」が追えない期間でも、2の段階を整えるだけで施策評価が可能になります。

3-2 outbound_clickをCVにする判断基準

「外部クリックを全部CVにする」のはおすすめしません。判断基準はこれです。

  • CVにしてよい:クリック後に高確率で成果に近づく
    • 外部予約ページへの遷移
    • LINE相談への遷移
  • CVにしない(KPI/参考指標):関係構築だが成果に直結しないことも多い
    • Instagramプロフィール遷移(まずは参考KPIが無難)

4 レポート上の見方(どこで見る?)

GA4の「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」画面のスクリーンショット。計測されたイベント名の一覧から「click」を探し、イベント数や総ユーザー数が発生していることを確認する手順を説明しています。

4-1 まずはイベントで「発火しているか」を確認

基本は次の流れです。

  • レポート →(ライフサイクル)→ エンゲージメントイベント
  • イベント名は多くの環境で click として表示されます(ここに外部クリックが入ります)。

ただし、ここで見えるのは「合計回数」が中心で、**“どのリンクが押されたか”**まで直感的に掘れないことがあります。そこで次が重要です。

4-2 「どのリンクが押されたか」を見る:探索(Explore)が本命

外部予約・LINE・Instagramを分解して見るには、探索(Explorations)が最短です。Google公式のチュートリアルでも、探索で Link domain / Link URL / Outbound を使ったレポート作成が案内されています。

4-3 探索で作る、最小構成(おすすめ)

  • ディメンション:Link domain、Link URL、Outbound
  • 指標:Event count(イベント数)
  • フィルタ:Outbound = true(外部クリックだけに絞る)

これで「予約ドメイン」「LINE」「Instagram」が1つの表で並び、送客量が分かります。


5 CV設定の入口(どのクリックをコンバージョン扱いするか)

さくら整体院を例にした、外部クリックのコンバージョン判定基準表。予約サイトとLINE相談は成果に直結するため「CV」として定義し、Instagram遷移は関係構築段階のため「KPI(中間指標)」に留めるという、評価の優先順位を説明しています。

5-1 結論:outbound_click“全部”はCVにしない

CVにすると、レポート上の「成果」が膨らみすぎて、施策評価が歪みます。
おすすめは “予約”と“LINE”だけCV、InstagramはKPIです。

5-2 さくら整体院モデル:運用ルール例

  • CV(主要)
    • 外部予約ドメインへのクリック
    • line.me へのクリック
  • 参考KPI(関係構築)
    • instagram.com へのクリック

5-3 設定の進め方(現場で揉めない順番)

  1. まずは 観測:探索で「上位の外部リンク」を洗い出す
  2. 次に 合意:「どれを成果と呼ぶか」を決める(予約・LINEなど)
  3. 最後に 整備:必要なら「特定URLのクリックだけ」を別イベント化してCVにする

6 よくある落とし穴と対処

1) 外部クリックが出ない(または少なすぎる)

  • 拡張計測がOFF
  • クロスドメイン扱いになっていて外部クリックにならない
    などが典型です。まずは拡張計測の設定と、探索で Outbound=true で見えるかを確認してください。

2) 「外部へ送れた」=「予約が増えた」ではない

outbound_clickはあくまで送客指標です。
ただし、“予約へ送れていない”問題と“送れているのに予約が増えない”問題を分離できるので、改善の打ち手が急に明確になります。

  • 送れていない → ボタン配置、導線、CTA、記事末の訴求を改善
  • 送れているのに増えない → 予約先ページ(外部側)のUX、価格、空き枠、入力負荷を疑う

ChatGPT先生と学ぶ outbound_click 実務ノック(3問)

問1:外部送客の“主役”はどれ?(原因特定)

状況(さくら整体院・直近30日)
探索レポート(Outbound=true)で、link_domain別のイベント数(click)が以下でした。

  • reserve.example.com(外部予約):420
  • line.me(LINE相談):210
  • instagram.com(Instagram):150

さらに、先月(前30日)と比べた増減はこうです。

  • 外部予約:-90
  • LINE:+40
  • Instagram:+20

質問

  1. 「外部送客が弱くなった原因(主因)」はどれですか?
  2. それを、上司(院長)に1〜2文でどう説明しますか?

模範解答(方向性)

  1. 主因は外部予約(-90)。LINEとInstagramは増えているため、全体の伸び悩みは予約導線の落ち込みが中心。
  2. 「外部送客の内訳を見ると、予約ページへの遷移が先月比で90件減っており、これが主な減少要因です。LINEとInstagramは増えているため、改善対象は予約導線(予約ボタン周り・記事末CTA)に絞るのが効率的です。」

問2:CVにするのはどれ?(コンバージョン設計)

状況(さくら整体院)
院長から「外部クリック全部をコンバージョンにしよう」と言われました。
しかし、あなたは“評価が歪む”懸念があります。

質問

  1. CVにするべき外部クリックを2つ選び、理由を述べてください。
  2. CVにしないほうがよい外部クリックを1つ選び、代わりにどう扱うべきか述べてください。

模範解答(方向性)

  1. CVにするべき:
  • 外部予約(予約ドメイン):最終成果に最も近い行動で、施策評価に直結する
  • LINE(line.me):相談→予約に繋がりやすく、意図の強い行動
  1. CVにしない:
  • Instagram(instagram.com):関係構築の行動で、成果に直結しないケースも多く、CV化すると過大評価になりやすい
    代替:KPI(参考指標)としてトレンド監視し、「認知・ファン化の温度感」を見る用途で扱う。

問3:次に見るべきデータは?(打ち手に落とす)

状況(さくら整体院・直近30日)
外部予約クリックが先月比で減っています(問1)。ただしPVは増えています。

  • PV:+18%
  • 外部予約クリック:-18%

質問
原因を切り分けるために、GA4で次に見るべきデータを2つ挙げ、
それぞれ「何が分かったら、次に何をするか」まで書いてください。

模範解答(方向性)
例1:ページ別(ランディングページ別)の外部予約クリック率

  • 分かること:PVが増えたページが「予約に繋がらない流入」になっていないか
  • 次アクション:予約に繋がらない上位ページに、予約導線(ボタン・文言・CTA位置)を追加/改善

例2:デバイス別(スマホ/PC)の外部予約クリック率

  • 分かること:スマホでボタンが見つけにくい・押しにくい等のUI問題が起きていないか
  • 次アクション:スマホのファーストビューに予約CTA固定、ボタンサイズや配置の見直し、ページ速度改善などを優先

(他の良い回答例)

  • 流入元別(SEO/広告/SNS)×外部予約クリック率
  • ページ内のクリック導線比較(予約ボタン vs LINEボタン)
  • 予約ボタンの位置別A/B(実装できるなら)

まとめ

  • outbound_click(外部クリック)は、別ドメインへのリンククリックを可視化する拡張計測(イベント名は clickoutbound=trueで判別)
  • 外部予約・LINE送客は「お問い合わせ完了以外の成果」として扱える
  • まずは探索でリンク別に分解し、CVにするリンクだけを厳選するのが実務の最短ルート

← 前の記事