基本から応用まで！Java 拡張for文の完全ガイド

配列やリストの扱いで、「通常のfor文とどう使い分けたらいいの？」と迷う気持ち、よくわかります。私もかつて、この拡張for文でエラーに苦しみました。

でも大丈夫。この記事は、そんなあなたのために書きました。拡張for文の基礎から実践的な使い方まで、具体的なコード例と共に丁寧に解説します。

読み終える頃には、あなたは拡張for文を安全かつ効果的に使いこなし、スマートなコードを書く秘訣を手にしているはずです。さあ、一緒に次のレベルへ進みましょう！

1. Java 拡張for文とは？基本構文と使い方

Javaを学び始めたばかりの人にとって、「拡張for文」という言葉は少し難しそうに感じるかもしれません。でも、実はとても便利で、配列やリストの中身を簡単に処理できるループの書き方です。この章では、拡張for文の基本をやさしく解説します。

1-1 Java 拡張for文の概要と特徴

拡張for文は、Javaで用意されている簡潔なループ処理の方法です。正式名称は「拡張for文」または「for-each文」と呼ばれています。Java 5から導入されたこの文法は、配列やList、Setなどのコレクションをループで簡単に処理できます。

特に、イテレータを使う煩雑さを取り除き、読みやすいコードを書くのに役立ちます。拡張for文はコード量が少なくなり、保守性が高まるため、チーム開発でも推奨されることが多いです。

1-2 Java 拡張for文の基本構文【初心者向け】

拡張for文の構文は以下の通りです。

for (型 変数名 : 配列やコレクション) {
    処理;
}

たとえば、文字列の配列をループする場合は次のようになります。

String[] names = {"山田", "佐藤", "田中"};
for (String name : names) {
    System.out.println(name);
}

この構文では、配列namesの各要素が順番に変数nameに代入され、処理されます。インデックス番号を管理する必要がないため、初心者でもエラーを起こしにくくなります。

1-3 Java 通常のfor文との違いを比較

通常のfor文では、インデックスを用いて要素にアクセスします。

for (int i = 0; i < names.length; i++) {
    System.out.println(names[i]);
}

この方法は、インデックスを使った柔軟な処理（例えばiが偶数のときだけ処理する）には向いていますが、コードが長くなりがちです。

拡張for文ではこのような制御はできませんが、単純にすべての要素を順に処理する場合はコードが簡潔で読みやすくなります。

1-4 Java 拡張for文が向いている場面／不向きな場面

拡張for文が得意なシーン：

• 配列やリスト全体の出力
• コレクション内のデータを一括処理
• 可読性を重視する場面

不向きなシーン：

• 要素の削除・追加が必要なとき
• インデックスが必要なとき（奇数番目のみ処理、前後比較など）
• 逆順でループしたい場合

用途に応じて、拡張for文と通常のfor文を使い分けましょう。

2. Java 拡張for文の具体的な使用例とユースケース

この章では、拡張for文を実際にどのように使うかを、現場でのシチュエーションに即して紹介します。

2-1 Java 拡張for文で配列をループ処理する例

int[] numbers = {10, 20, 30, 40};
for (int num : numbers) {
    System.out.println("値: " + num);
}

このように、拡張for文は数値の配列でも活躍します。初心者が扱いやすく、繰り返し処理の本質を学びやすい構文です。

2-2 Java 拡張for文でListやSetを処理する例

List<String> fruits = List.of("りんご", "バナナ", "みかん");
for (String fruit : fruits) {
    System.out.println(fruit);
}

Setでも同様に使えます。

Set<Integer> ids = Set.of(101, 102, 103);
for (int id : ids) {
    System.out.println("ID: " + id);
}

2-3 Java 拡張for文が活躍する現場ユースケース3選

1. ユーザー一覧の名前を表示

List<String> users = List.of("田中", "鈴木", "佐々木");
for (String user : users) {
    System.out.println("ユーザー名: " + user);
}

2. データベースから取得した数値データを合計

List<Integer> data = List.of(100, 200, 300);
int sum = 0;
for (int value : data) {
    sum += value;
}
System.out.println("合計: " + sum);

3. ログファイルの行を読み込んで表示

List<String> logs = List.of("開始", "処理中", "終了");
for (String log : logs) {
    System.out.println("ログ: " + log);
}

3. Java 拡張for文でネストされたコレクションを扱う方法

複数のリストが入れ子になっている場合でも、拡張for文を使えば読みやすくスマートなコードが書けます。この章では、ネストされたコレクションを扱うテクニックを紹介します。

3-1 List<List>などの多重構造の処理方法

List<List<String>> groups = List.of(
    List.of("A", "B"),
    List.of("C", "D"),
    List.of("E", "F")
);

for (List<String> group : groups) {
    for (String member : group) {
        System.out.println("メンバー: " + member);
    }
}

このように、拡張for文を重ねて使うことで、二重のループでもスッキリ書けます。リストの中のリストという構造も簡単に処理できます。

3-2 ネスト構造で気をつけるべき変数スコープと型の扱い

ネストされたループでは、同じ変数名を内側と外側で使ってしまうと混乱のもとになります。
たとえば、外側で使ったgroupと内側でgroupを使うと、上書きされたり予期せぬ動作になることがあります。また、型も正確に合わせましょう。

for (List<String> outer : groups) {
    for (String inner : outer) {
        System.out.println(inner);
    }
}

このように、変数名に気を配ることで、より読みやすく、安全なコードが書けます。

3-3 Java 拡張for文でネストされたデータを整形出力する例

for (int i = 0; i < groups.size(); i++) {
    System.out.print("グループ" + (i + 1) + ": ");
    for (String name : groups.get(i)) {
        System.out.print(name + " ");
    }
    System.out.println();
}

このように、インデックスを使ってグループ番号を表示したいときには、外側を通常のfor文にし、内側だけ拡張for文を使うハイブリッドな方法も有効です。

4. Java 拡張for文のパフォーマンスは問題ない？

拡張for文を使うと読みやすいコードが書けますが、「処理速度は遅くならないのか」と気になる方もいるかもしれません。この章では、パフォーマンスの観点から拡張for文と通常のfor文を比較してみましょう。

4-1 拡張for文と通常for文の処理速度比較

基本的に、配列に対して使う場合、拡張for文と通常のfor文の速度はほとんど変わりません。しかし、極端に大量のデータを処理する場面では、通常のfor文の方がわずかに速くなることがあります。

int[] data = new int[100000];
for (int i = 0; i < data.length; i++) {
    data[i] = i;
}

上記のように、インデックスを活用して直接アクセスすると、Javaが内部で最適化を行いやすくなるからです。
ただし、一般的な業務では違いが分からない程度なので、まずはコードの見やすさを優先するのがおすすめです。

4-2 Java 拡張for文の内部動作とイテレータの関係

拡張for文は、ListやSetなどのコレクションを処理する際、内部でIteratorを使っています。そのため、コレクションから要素を取り出す処理は、自動的にhasNext()とnext()を使って繰り返されています。

List<String> items = List.of("A", "B", "C");
for (String item : items) {
    System.out.println(item);
}

このコードは、内部的には以下のように展開されます。

Iterator<String> it = items.iterator();
while (it.hasNext()) {
    String item = it.next();
    System.out.println(item);
}

この仕組みの理解は、後述するエラー対策にもつながります。

4-3 ループ最適化が必要なケースと対処方法

例えば、100万件を超える大量データを処理しなければならない場合、streamを使った並列処理を検討することがあります。

List<Integer> numbers = IntStream.range(0, 1000000)
    .boxed()
    .collect(Collectors.toList());

numbers.parallelStream().forEach(System.out::println);

このように、並列処理によりパフォーマンスを改善する方法もあります。とはいえ、拡張for文は8割以上の場面で十分な性能を発揮するため、まずは使いやすさを重視しましょう。

5. Java 拡張for文の注意点とエラーハンドリング

便利な拡張for文にも落とし穴があります。特に実務では、ちょっとした使い方の違いで思わぬエラーが発生することもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

5-1 拡張for文で「ConcurrentModificationException」が起きる理由

拡張for文を使っている途中で、コレクションから要素を削除すると「ConcurrentModificationException」というエラーが出ることがあります。

List<String> list = new ArrayList<>(List.of("A", "B", "C"));
for (String item : list) {
    if (item.equals("B")) {
        list.remove(item); // エラー発生
    }
}

このエラーは、拡張for文が内部で使っているIteratorが、要素の変更を監視しているために発生します。安全に削除したいときは、Iteratorを明示的に使いましょう。

Iterator<String> it = list.iterator();
while (it.hasNext()) {
    String item = it.next();
    if (item.equals("B")) {
        it.remove();
    }
}

5-2 インデックスが必要な処理との使い分けポイント

要素の位置が必要な処理（例：偶数番目のデータだけ表示したい場合など）は、通常のfor文を選ぶのが適切です。

String[] names = {"佐藤", "高橋", "山口"};
for (int i = 0; i < names.length; i++) {
    if (i % 2 == 0) {
        System.out.println(names[i]);
    }
}

拡張for文ではインデックスを使えないため、このような制御には向いていません。

5-3 Java 拡張for文のよくあるエラーとその対策

よくあるミスには、以下のようなものがあります：

• 配列がnullのままでループ → NullPointerException
• 変数の型が間違っていて代入エラー → コンパイルエラー
• 要素を変更しようとしても変更されない → 値のコピー処理による

これらを防ぐには、nullチェックや型チェックを事前に行うことが効果的です。

5-4 nullが含まれるコレクションを処理する場合の注意点

コレクションの中にnullが混ざっている場合、出力時にエラーになることがあります。以下のように、nullチェックを忘れずに入れると安全です。

List<String> words = Arrays.asList("Hello", null, "World");
for (String word : words) {
    if (word != null) {
        System.out.println(word);
    }
}

コードが止まるリスクを防ぐには、こういった細かい配慮が大切です。

6. Java 拡張for文に関するよくある質問（Q&A）

拡張for文を使っていると、「これはどうなんだろう？」という素朴な疑問がいくつも出てきます。この章では、Java初学者や実務初心者からよく聞かれる質問を取り上げ、それぞれわかりやすく答えていきます。

6-1 Java 拡張for文で値の変更はできる？

結論から言うと、拡張for文の中で直接配列やリストの要素を書き換えることはできません。なぜなら、拡張for文で使う変数は「要素のコピー」だからです。

int[] numbers = {1, 2, 3};
for (int n : numbers) {
    n = n * 2;
}
System.out.println(Arrays.toString(numbers)); // [1, 2, 3]

このように、元の配列numbersには何も変化がありません。値を変更したい場合は、通常のfor文を使ってインデックスで直接アクセスする方法が適しています。

for (int i = 0; i < numbers.length; i++) {
    numbers[i] = numbers[i] * 2;
}

6-2 Java 拡張for文はMapに使える？

Map型のデータは、そのままでは拡張for文では扱えません。ただし、entrySet()やkeySet()を使えば、要素ごとに繰り返すことができます。

Map<String, Integer> scores = Map.of("国語", 80, "数学", 90);
for (Map.Entry<String, Integer> entry : scores.entrySet()) {
    System.out.println(entry.getKey() + "：" + entry.getValue());
}

また、キーだけを処理したい場合は以下のように書けます。

for (String subject : scores.keySet()) {
    System.out.println(subject);
}

このように、Mapでも拡張for文を活用できます。

6-3 Java 拡張for文を使わない方が良いのはどんな時？

拡張for文が便利とはいえ、すべての場面で最適なわけではありません。以下のような場面では、通常のfor文やIteratorを使う方が良いです。

• 要素のインデックスを使いたいとき（例：順位付きの表示など）
• 要素を削除・追加したいとき
• データを逆順に処理したいとき
• 並列処理で高いパフォーマンスを出したいとき

たとえば、以下のようなコードは拡張for文では実現できません。

for (int i = list.size() - 1; i >= 0; i--) {
    System.out.println(list.get(i));
}

目的に合わせて、使うループの種類を選ぶことが大切です。

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7. まとめ｜Java 拡張for文を使いこなしてスマートなコードへ

ここまで拡張for文の使い方を学んできました。最後に、要点をまとめて振り返りましょう。

• 拡張for文は、配列やListなどのコレクションを簡潔にループ処理できる便利な文法です。
• 通常のfor文と異なり、インデックスを使わずにすべての要素を順に処理できます。
• ネストされた構造やMap、nullの扱い、パフォーマンス、エラー対策など、さまざまな実践ポイントがあります。
• 適切な場面で使い分けることで、よりスマートで読みやすいJavaコードが書けるようになります。

Javaのコーディング力を高めるには、「便利な文法を正しく使い分ける力」が重要です。拡張for文はその第一歩です。これからもたくさんコードを書いて、着実に力をつけていきましょう。